男性不妊の原因の一つに精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)があります。一般男性の約15%、男性不妊の方の約40%に精索静脈瘤があると言われています。精索静脈瘤があると精子の運動率が下がり、不妊の原因の一つとなってしまうのです。本日は男性不妊の原因の一つである精索静脈瘤について詳しく説明していこうと思います。
そもそも精巣・精索とは
精巣のことを睾丸とも言います。精巣の重さは約10gで、卵のような楕円形をしています。精巣の主な働きは精子を作ることと、男性ホルモンの分泌です。個人差はありますが、精子は精巣の中で1日に3千万個〜2億個作られると言われています。そして精巣は、陰嚢という袋の中に収められ、体の外にぶら下がっています。女性の卵巣や子宮は体の中に収まっているのに、なぜ、男性の睾丸は外にぶら下がっているかと言いますと、精子の産生と成熟には体温よりも3度ほど低い温度が適しているからです。体の仕組みというのは実に神秘的であり、合理的ですね。
また、精索(せいさく)とは精巣の動脈、静脈、リンパ管、精管(精子を運ぶ管)がひとつになって筒状になっている部分のことを言います。
精索静脈瘤とは
精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)とは、下記の図のように、精巣から心臓へ戻る静脈の弁の働きが悪くなり、血液がうっ滞し、血管がコブ状になってしまう状態を言います。悪くなった弁が原因で滞った血液は温まり、その血液が精巣に逆流してしまうのです。先述したように精子の生成と成熟には、体温よりも低い温度が大切です。そのため、睾丸内の暖かい環境は精子の運動率に影響を及ぼし、不妊の原因になる場合があります。また、精子のDNAが損傷し、妊娠しても流産しやすかったり、胎児に影響を及ぼしてしまう恐れもあります。
精索静脈瘤のセルフチェック
下記のような症状がある場合には精索静脈瘤である可能性がありますので、泌尿器科を受診した方が良いでしょう。簡単な検査ですので、ぜひ実践してみてください。
精索静脈瘤の検査
精索静脈瘤の検査は泌尿器科でできます。視診、触診をして陰嚢や睾丸の見た目や大きさ、左右差を確認します。通常の見た目だけで明らかに分かる場合もありますが、立った状態や、腹圧をかけた状態で血管の拡張を認める場合もあるので、横になった状態、立った状態など総合的に見て判断します。また、超音波検査をして拡張した静脈や、血液の逆流を確認することで確定診断とします。
また、精索静脈瘤は自覚症状がない場合が非常に多いです。ブライダルチェックなどで精液検査を受けた際に精子の数や運動率に異常があり、調べてみると精索静脈瘤が発見されるというケースも珍しくはありません。
精索静脈瘤の治療
精索静脈瘤の治療は経過観察、内服治療、対症療法、手術などがあります。将来お子さんを希望されている方で、精索静脈瘤により精子所見に異常が見られる場合は、手術をすることで精子の状態が改善され、自然妊娠率も上がると言われています。一方で、痛みなどの症状がなく、将来お子さんを希望されないという方には経過観察が行われる場合もあり、その方によって適切な治療法が選択されます。
まとめ
精索静脈瘤は男性不妊の原因となりますが、自覚症状がないことも多く、不妊症の原因検索で発見されるケースもあります。計画的にお子さんを希望されている方は早期に異常が発見されれば早期に治療が可能ですので、ブライダルチェックなどで精子の状態を一度は確認しておくことが将来の安心に繋がりますね。
当院でのブライダルチェックは基本セット(クラミジア、淋菌、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、トリコモナス、B型肝炎、C型肝炎、HIV、風疹抗体、梅毒、ホルモン検査)が29,800円(税込)、男性で精液検査をご希望の方には基本セットに精液検査をプラスして39,800円(税込)で受けていただくことができます。
また、結婚や妊活の予定がなくても、どなたでも、いつでも受けることができます。
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