妊活検査について

結婚生活も落ち着いてきた頃、「そろそろ赤ちゃんを」と考える方も多いと思います。今回は今後、赤ちゃんを希望する全ての方々に、妊活検査の必要性についてお話しさせていただこうと思います。

妊活検査とは

妊活検査とはブライダルチェック とも呼ばれ、「妊娠するために妨げとなる異常がないか」をチェックするための様々な検査を指します。女性に対してはホルモン検査（採血）、性感染症検査、風疹抗体検査、男性に対しては精液検査、ホルモン検査（採血）、性感染症検査などを行うことが一般的です。不妊の原因は、女性側、男性側、またはその両方にある場合がありますので、妊活検査はパートナーと2人で受けることがとても大切です。

女性の妊活検査

ホルモン検査

妊娠に影響するホルモンの値に異常がないかを血液検査で調べます。脳下垂体前葉からのホルモンや、卵巣からのホルモンなどを調べ、卵子を成熟させるためや、排卵するためのホルモンに異常がないかを調べます。

風疹抗体検査

風疹に対する抗体が十分あるかを血液検査で調べます。妊娠中に風疹に感染すると、赤ちゃんに心疾患、白内障、聴覚障害などの先天性風疹症候群が現れることがありますので、抗体がない場合には妊活前にワクチン接種を済ませておくことが大切です。このワクチンはウイルスの毒性を弱めて作られたワクチンのため、ウイルスがお腹の赤ちゃんに感染する可能性が否定できず、接種後2ヶ月は妊活ができませんので、妊活前に検査を受けることが大切です。

性病検査（性感染症検査）

性感染症は感染していても自覚症状が出ないものもあり、気付かずに放置すると子宮内膜炎や子宮頸管炎などを起こすことがあります。不妊症の原因となりますので、パートナーとともにしっかりと治療しておくことが大切です。

男性の妊活検査

精液検査

精液の中の精子の量や濃度、運動率、奇形率などを調べます。一番大切な項目は運動率で、正常値は42%以上と言われています。運動していると言っても精子がその場に留まっていたり、螺旋状に動いているだけの場合もありますので、自然妊娠を望まれる場合には運動率が55%以上あることが望ましいと言われています。

ホルモン検査

ホルモン検査は脳下垂体前葉からのホルモン、精巣からのホルモンなどを血液検査で調べます。主に精子を成熟させるホルモンや男性ホルモンの分泌量を調べます。

風疹抗体検査

パートナーが妊娠中に風疹に感染してしまうと、赤ちゃんにも感染してしまう恐れがあります。そのため、パートナーに感染させないように、男性側も風疹抗体の検査を受けておくことが大切です。抗体がない場合には妊活前にワクチン接種を受けておきましょう。

性病検査（ 性感染症検査）

性感染症は男性不妊の原因にもなります。尿道から上行感染を起こすと精巣での精子形成に影響を及ぼす可能性があります。また、万が一感染していた場合には、パートナーとともに治療しておくことが大切です。どちらか1人だけが治療しても、性行為によってまた感染し、これを繰り返してしまいます。これをピンポン感染といい、いつまでも完治しないケースが多いのが現状です。

妊活検査が受けられる場所

妊活検査はブライダルチェックとも呼ばれ、婦人科や泌尿器科、内科、不妊症外来などで受けることができます。内容は医療機関によって様々です。男性だけ、女性だけを受け入れているところもありますが、ペアでの検査を受け入れているところも多いですね。

妊活検査の費用

妊活検査（ブライダルチェック）の金額は医療機関によって様々です。内容も医療機関によって異なりますが、一般的には1人3万円から5万円のところが多いようです。

おまけの話し　葉酸について

ここで、妊活の際に必要な栄養素についてお話しします。厚生労働省では妊娠を計画している女性や妊娠中の女性は通常の食事からの葉酸摂取に加えて、サプリメント等から1日あたり400μgの葉酸を摂取する事を推奨しています。妊娠初期は赤ちゃんの脳や神経など、大切な器官が作られる時期で、たくさんの葉酸を必要としているのです。葉酸はブロッコリー・枝豆・ほうれん草・さつまいも・芽キャベツなどに多く含まれています。また、葉酸の働きを助ける亜鉛・ビタミンなどを摂取することも大切ですね。だからと言って葉酸の多く入ったものや、ビタミンだけに偏るのもいけません。1日３食、バランスよく食べ、妊活時にはサプリメントなどで葉酸をさらにプラスする事をお勧めします。

終わりに

安心して妊活するためにも妊活検査（ブライダルチェック ）を受けておくことはとても大切です。もし何か異常があっても、妊娠前にしっかりと治療をすれば、安心して妊娠期間を送ることができます。

⬇︎YouTubeでも解説させていただきました⬇︎