先生に質問です！ブライダルチェックの項目の中にホルモン検査と書いてありました。ホルモン検査って具体的に何をするんでしょうか。
ホルモン検査については患者様からの質問が非常に多いです。ホルモンと一言で言ってもその種類は100種類以上もあるんですよ。本日はブライダルチェックで調べる主なホルモン検査について出来るだけ分かりやすく説明していきますね。
ホルモンは私たちの身体の中の内分泌腺というところで分泌され、血液を通してターゲットである細胞に到着し、細胞と細胞の情報の伝達をします。ホルモンは身体の多くの機能を調節し、私たちの成長、代謝、免疫機能、ストレスへの反応など生命機能を維持する大切な働きを持ちます。例えば、食事を摂ると膵臓からインスリンが分泌されて、血糖値の調整が起こります。また、ストレスを感じた時はアドレナリンが分泌されて、自律神経を調整するように働きます。このような働きは全てホルモンによるものです。私たちの身体はホルモンによって正しく調整され、一定の状態が保たれるようになっています。これをホメオスターシス、または恒常性と言います。
ブライダルチェックでのホルモン検査
ブライダルチェックでホルモン値を調べる理由についてお話しします。例えば、脳からのホルモン分泌に異常がある場合、女性は排卵に影響してしまったり、男性は精子形成に影響してしまうなどの可能性があるからです。無排卵でも月経が起こったり、射精機能に問題がない場合には異常に気づかずに経過してしまうことがあります。そのため、結婚前や妊活前に検査をすることはとても大切と言えます。
それでは男性、女性に分けて、ブライダルチェックで行うホルモン検査の一般的な内容をお伝えしていきます。
男性の場合
LH
LHは黄体形成ホルモンとも呼ばれ、脳下垂体前葉から分泌されます。LHは精巣の間質にあるライディッヒ細胞に働きかけ、男性ホルモンであるアンドロゲンの合成を促進します。精巣から分泌されるアンドロゲンのうち、約90%が次に説明するテストステロンです。
テストステロン
テストステロンは男性ホルモンであるアンドロゲンの一種です。精巣で作られ精子の形成と成熟に重要な役割を果たしています。また、骨格や筋肉を成長させる、精神の安定を保つ、集中力や記憶力を向上させる働きなどもあります。精巣がない女性は、副腎から出る「副腎アンドロゲン」が男性化作用を担っています。
FSH
FSHは卵胞刺激ホルモンとも呼ばれ、脳下垂体前葉から分泌されます。アンドロゲンと共に精巣の精細管のセルトリ細胞に作用し、精子形成を促進します。
女性の場合
FSH
FSHは卵胞刺激ホルモンとも呼ばれ、脳下垂体前葉から分泌されます。卵巣において卵胞（卵子が入った袋）の成熟を促進します。卵胞が成熟する過程で、エストロゲン（女性ホルモン）を分泌します。
LH
LHは黄体形成ホルモンとも呼ばれ、脳下垂体前葉から分泌されます。LHは、エストロゲンが十分に分泌されることによって反応し、子宮内膜を増殖させる作用があります。また、LHの量が十分になると、（LHサージといいます。）卵胞から卵子が飛び出て、排卵がおきます。
エストラジオール（E2）
エストラジオールはエストロゲンの一種で、卵巣の中の卵胞（卵子が入っている袋）から分泌されるホルモンです。エストラジオールは、子宮内膜を厚くし、精子が通りやすいように頸管粘液の分泌を高めます。
プロジェステロン
プロジェステロンは卵巣で排卵後に残った黄体（卵胞の壁の部分） から分泌されるホルモンで、子宮内膜に働きます。排卵直後から分泌量が増え、受精卵が着床しやすいように準備し、また、妊娠が成立した際にはその継続に作用します。
まとめ
ホルモン検査は妊娠、出産の予定がない方にもぜひ一度は受けていただきたい検査となっています。男性、女性にかかわらず、ご自身の健康状態を把握するためにも受けてみてはいかがでしょうか。
当院でのブライダルチェックは基本セット（クラミジア、淋菌、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、トリコモナス、B型肝炎、C型肝炎、HIV、風疹抗体、梅毒、ホルモン検査）が29,800円（税込）、男性で精液検査をご希望の方には基本セットに精液検査をプラスして39,800円（税込）で受けていただくことができます。
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