増える先天梅毒 大切な赤ちゃんを守るためにできること

ブライダルチェック

前回の記事では近年急増している梅毒について説明させていただきました。

 

今回は梅毒に感染している女性が妊娠した場合についてお話しさせていただきたいと思います。
大切な将来の赤ちゃんを守るために、これから結婚や妊娠を考えている方々がこの記事をご覧になって、検査を受けてみようと思うきっかけになると幸いです。

先天梅毒とは

先天梅毒とは梅毒に感染している女性の胎盤を介して赤ちゃんにも梅毒が感染してしまうことを言います。
先天梅毒は2022年では年間で20例の報告数がありましたが2023年では7月5日の時点で既に20例の報告数となっています。
近年の梅毒感染者の急増は先天梅毒の増加にも繋がっているということが分かりますね。

➡︎参考 NIID 国立感染症研究所

お腹の赤ちゃんに与える影響

妊娠中の女性が梅毒に感染していると流産や早産、死産の原因となります。

また、妊娠中に適切な治療をしたとしても赤ちゃんへ母子感染してしまう可能性は22%あるとの報告があり、出産後60日以内に治療を開始したとしても44%が母子感染してしまうという報告もあります。

➡︎ 参考 日本産婦人科医会

先天梅毒の症状

先天梅毒の症状は、生まれたばかりでは分からないことも多いです。

しかし、生後数ヶ月以内で、「早期先天梅毒」としての症状である「特徴的な皮膚の症状(水疱、丘疹、赤銅色の発疹など)、リンパ節腫脹、肝脾腫」などを起こします。

また、生後2年以降に「晩期先天梅毒」として「実質性角膜炎、難聴、歯のエナメル質の形成不全(Hutchchison歯)」などを引き起こします。

先天梅毒の予防

梅毒の検査は日本においては母子保健法で義務付けられた検査ですので、妊婦検診の中では必ず行う検査です。しかし先述したように妊娠中に治療をしたとしても、赤ちゃんへの感染は完全には防げません。つまり、妊娠中に検査をしても遅いということになります。

ではどうしたら良いのでしょうか。

梅毒の検査は通常の健康診断の中には含まれていませんので、自分から積極的に検査を受けることが必要です。前回の記事でもお話ししたように梅毒は潜伏期間が長く、しかも症状が出ても気づかない場合も多いというのが厄介なところです。

そのため、これから妊娠を考えている方はもちろん、結婚の予定のある方などは、パートナーと一緒にブライダルチェックなどで前もって検査をしておくことが非常に大切と言えます。

 

梅毒の治療

梅毒の治療はペニシリンという抗生物質でほとんどのケースで完治が可能です。万が一感染が分かっても、しっかりと治療しておけば赤ちゃんに感染させる恐れもなくなりますので、早期発見・早期治療が非常に大切となります。
また、「梅毒を治療したので、もう梅毒には感染しない」という訳ではありません。梅毒は免疫を獲得しないので、適切な感染予防策を講じないと何度でも感染してしまいます。

まとめ

近年の梅毒感染者の急増は先天梅毒の増加にも繋がっています。何度もお伝えいたしますが、梅毒はほとんどのケースで完治が可能です。大切なパートナーのために、将来の赤ちゃんのために、またご自身のためにも自ら進んで検査を受けてみてはいかがでしょうか。

当院でのブライダルチェックは基本セット(クラミジア、淋菌、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、トリコモナス、B型肝炎、C型肝炎、HIV、風疹抗体、梅毒、ホルモン検査)が29,800円(税込)、男性で精液検査をご希望の方には基本セットに精液検査をプラスして39,800円(税込)で受けていただくことができます。

 

⬇︎YouTubeでも解説させていただきました⬇︎

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