前回の記事ではクラミジア感染症と男性の不妊症の関係についてお話しさせていただきました。
本日はクラミジア感染症と女性の不妊症の関係についてお話しさせていただきたいと思います。
☑️クラミジア感染症が女性の体に与える影響
クラミジア感染症はクラミジアトラコマティスという病原体が原因で起こります。
性行為によって感染し、感染後1〜3週間で発症すると言われていますが、このクラミジア感染症の怖いところは、男性で50%、女性では80%もの方が無症状であるということです。
女性の場合、治療をしないで放置してしまうと、菌が体の奥へと進行してしまう上行感染を起こします。この感染が子宮付属器炎(卵巣や卵管の炎症)や骨盤内の炎症を引き起こし、卵管障害や腹腔内癒着に繋がり、卵管妊娠や不妊症の原因となってしまいます。
さらに骨盤内から肝臓にまで炎症が進むと重症化し、命に関わることもあります。
また、妊娠中のクラミジア感染は流産や早産の原因となったり、分娩時には産道感染により赤ちゃんにも影響を及ぼし、新生児結膜炎や新生児肺炎の原因となったりします。
✏︎ 参考文献:性感染症 診断・治療ガイドライン2020
☑️クラミジア感染症の検査
少し怖いことを書いてしまいましたが、万が一クラミジアに感染していることが分かっても、抗生物質で完治が可能です。そのため、まずは自分の状態を知るために、検査を受けることがとても大切ですね。クラミジアの検査は膣に綿棒を入れ、粘膜を少し擦って検査します。綿棒はとても細いものですので、痛みはありません。生理中の場合は判定に影響を及ぼしてしまう恐れがありますので、なるべく避けたほうが良いでしょう。
感染が分かっても、初期の段階なら抗生物質の内服だけで済みますが、卵管や卵巣にまで感染が広がってしまうと卵管を広げる手術が必要になったり、治療に時間を要する場合もあります。
☑️女性の不妊症の原因の20%は卵管因子
2003年に日本受精着床学会が行った不妊患者様によるアンケート調査では、不妊の原因について男性因子33%、卵巣因子21%、卵管因子20%、子宮因子18%、免疫因子5%、その他4%という結果でした。
この中の卵管因子(卵管の閉塞)のうち、多くはクラミジア感染により無症状のうちに起こっていると言われております。
参考記事 ➡︎ 日本産婦人科医会 不妊の原因と検査
☑️淋菌との重複感染が多い
クラミジアに感染している場合、同時に淋菌にも感染しているケースが非常に多くなっています。
また、性病に感染していると粘膜が弱くなっているため、その他の性病やHIVにも感染しやすくなると言われています。
そのため、結婚前や妊活前の方はもちろんのこと、複数のパートナーがいる場合や、性病が心配な方などは、定期的に検査をすることをお勧めします。
☑️まとめ
女性のクラミジア感染は自覚症状がない場合が多く、放置してしまうと気づかないうちに不妊症の原因となる場合があります。ご自身の安心のためにも、大切なパートナーのためにも、将来の赤ちゃんのためにも一度検査を受けてみてはいかがでしょうか。
当クリニックグループのブライダルチェックは基本セット(クラミジア、淋菌、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、トリコモナス、B型肝炎、C型肝炎、HIV、風疹抗体、梅毒、ホルモン検査)が29,800円(税込)、男性で精液検査をご希望の方には基本セットに精液検査をプラスして39,800円(税込)で受けていただくことができます。大宮・上野・池袋・新橋のどのクリニックでも受けていただくことが可能ですので、お近くのクリニックでお受けください。
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